台東区(浅草、上野、谷中、根岸など)は、古き良き下町の情緒が残る人気のエリアです。
しかし、相続の視点から見ると、「土地の値段(路線価)は高いのに、道が狭くて売りにくい」「お寺の借地権で権利関係が複雑」といった、下町特有の難しい問題が多く存在します。
「うちは小さな土地だし、借地だから相続税はかからないだろう」と思っていませんか?
実は、台東区の土地評価は非常に高く、予想外の税額になるケースが後を絶ちません。
今回は、台東区の土地勘を持つ鈴木博之税理士事務所が、下町の不動産相続で損をしないための「評価減(節税)」のポイントを解説します。
台東区、特に谷中や浅草周辺には、お寺や地主さんが土地を持っており、その上に自宅を建てている「借地権」のケースが多く見られます。
「土地の名義は自分ではないから、相続財産にはならない」は間違いです。
借地権は立派な財産権であり、相続税の課税対象になります。しかし、自由に売買できる「所有権」の土地よりは評価額が下がります。
相続税や贈与税の土地の評価は財産評価基本通達というルールによって計算をします。
ただし、相続で悩まれている方が概算で土地評価をする場合には、次の方法で土地の評価を計算してみてください。
台東区の土地の評価方法は「路線価方式」で調べます。
路線価とは国税庁が、全国の主要な道路に面している土地の1平方メートル当たりの価格です。
路線価は毎年7月1日に公表されます。相続が発生した年の路線価表をご覧ください。
例)路線価 670C、面積100㎡の場合
土地の評価 670,000円×100㎡=67,000,000円
借地の場合 67,000,000×70%(借地権割合)=46,900,000円
実際の申告時には、上記に土地固有の補正率をかけて評価額を下げていきます。
台東区の住宅地は、路地裏に入ると「間口が狭く、奥行きが長い(ウナギの寝床)」や「不整形地(L字型や三角地)」が多く残っています。
これらは使い勝手が悪いため、その分だけ評価額を下げることができます。
これを専門用語で「補正率」と言います。
奥行価格補正: 奥行きが極端に長かったり短かったりする場合、評価を減額できます。
不整形地補正: 形がいびつな土地は、きれいな四角形の土地に比べて最大40%程度評価が下がる可能性があります。
がけ地補正: 敷地内に高低差がある場合も減額対象です。
台東区のような地価が高いエリアで、自宅を相続する場合に絶対に適用したいのが「小規模宅地等の特例」です。
効果: ご自宅について330㎡(約100坪)までの土地であれば、評価額を80%減額できます。
例: 評価額5,000万円の土地 → 特例適用で1,000万円の評価(80%の4,000万円減額)になります。
ただし、この特例を使うには「同居している親族がいるか」などの厳しい要件があります。
特に二世帯住宅や、相続人がすでに持ち家を持っている場合(家なき子特例)は判断が複雑ですので、申告前に必ず税理士にご相談ください。
台東区の不動産相続は、単に計算式に当てはめるだけでなく、「その土地が実際にどれくらい使いにくいか(=評価を下げられるか)」の確認も必要です。
鈴木博之税理士事務所は、台東区に根ざし、このエリア特有の不動産事情に精通し、不動産の活用から売却フォローまでトータルで行っています。「路地が狭くて車が入らない」「隣地との境界が曖昧」といった下町ならではの悩みも、是非ご相談ください。
相続税の申告が必要かどうかの試算や、土地の評価についてのご相談は、ぜひ当事務所にお任せください。
【お問い合わせ先】 鈴木博之税理士事務所
電話番号: 03-6555-4113(平日 9:00〜18:00)
住所: 東京都台東区浅草3-19-8
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